<SELECTED BOOK by KUSA.'s ROASTER>『BOSO DAILY TOURISM II』

珈琲焙煎人による詩的書籍セレクション (一般)

『BOSO DAILY TOURISM II』(房総日常観光 中房総編)
 暮ラシカルデザイン編集室 刊

九十九里中部〜長生郡の一帯は、本書に掲載されている以外にも業界最前線に位置する店舗さんも多く、
これはとある東京のプログラマーの方の弁ではありますが、関東でも最もエッジの効いたエリアだとも
言われています。

私は何年か前から、ここ長生村を「NEW SUBURBIA」(新しい郊外の形)と呼んでおり、
本書から読み取れるお店のオーナー様の数々の言葉からもそんな感触を無意識に感じられて
大変興味深いです。

何にせよ、本書はただの観光本とは一線を画し、丹念な取材から浮かび上がった、美しい写真、
テキストから店の在り方、店の思想があぶり出され、それはこの地域と関係のない人にさえ、
何らかの詩のようなものを想起させるのではないでしょうか。

日本の美術館の財産とも言える、「as it is」の貴重なテキストが掲載されていることも加えて、
渾身の書と言って良いと思います。








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珈琲は、緑茶とともに日本でもデイリーな食卓の飲み物になった。
ただ、珈琲が緑茶や紅茶と少し違うように感じられのは、ごく個人的な意見ではあるが、
珈琲には文学性が帯びているように思えてしまう点だ。
パリのサンジェルマンで、ブルトンやジェイムス・ジョイスが文化論を議論をしていた時、
または、学生運動真っ盛りの東京で、若者たちが本を片手に革命を語っていた時、
そこには水や茶ではなく、珈琲があった。(というイメージがあった)
それはもちろん、イメージに過ぎないが、珈琲には今でも、カジュアルで美味しい飲み物とは
また別の側面として、自分の情緒を奥深く探索するための作用があるように思えてならない。


これは、そういう観点から、珈琲店「KUSA.」がセレクトする書籍と写真集のシリーズ。







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1,650円(税込)
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